ジルコニア酸素計原理セルの内外面の酸素分圧の差により電圧(セル電圧)を生じる酸素濃淡電池となります。 セルの内側に大気、外側にサンプルガスを接触させる事により大気の酸素濃度を基準にした電圧を 発生させる事ができます。これは、以下の式によって表すことができます。 Eはジルコニアセラミックスが発生する電圧(mV)、Tはセルの絶対温度 大気の酸素濃度は一定ですから、セル温度が一定であればセル電圧も一定です。 逆算することによりサンプルガスの酸素濃度を知ることができます。 したがって検出セルは両側が大気の時、理論的にはセル電圧は 0mVになり、サンプルガスの 酸素濃度が大気に対して低くなるにしたがいセル電圧は大きくなります。 |
還元雰囲気の測定について
金属の熱処理工程、またはセラミック焼成に還元雰囲気が用いられますが、TBセンサーでは H2雰囲気、H2+不活性ガス、
CO/CO2 雰囲気中における H2+1/2 O2 ⇔ H2O、CO+1/2 O2 ⇔ CO2 から解離して生じる 1×10^-20 atmO2 以下の
酸素分圧を測定し、酸化 ⇔ 還元 の判断、雰囲気管理を行う事ができます。
(高精度の還元雰囲気測定には「DG−R」シリーズが適しています。)
真空雰囲気の測定について
本計器はサンプルガスの酸素分圧を測定します。
したがって同じ酸素濃度のガスでも圧力が変化すればその圧力に応じた酸素分圧の起電力が発生します。
たとえば大気(約 21 %O2)を 1 Torr まで減圧しますと、大気圧は 760Torr ですから 21×1/760 = 0.027%O2 の指示が得られる事になります。
TB−IIFでCVDの排気ラインで 1×10^-3 Torr 、TB−IIVでは、真空炉直接取り付けで 1×10^-6 Torr での実績があります。
低酸素燃焼の CO+H2 測定について
直火雰囲気炉で m値(空燃比)1以下の燃焼条件では CO+H2 / CO2+H2O から解離して生じる
10^-10 以下の酸素分圧測定により CO+H2% の測定が可能です。
1%(CO+H2)+0.5%O2 = 1%(CO+H2O) になりますので、1%(CO+H2) を -0.5%O2に置き換え、−O2%のレンジで表すこともできます。
また、m値 1の当量燃焼を目標の場合はゼロ点を中心に −O2% 〜 0 〜 +O2%のレンジ製作もできますのでご相談ください。